あいネット島根 第69号 平成24年1月1日発行 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 1.年頭のご挨拶  新年明けましておめでとうございます。  皆様には、お健やかに新年をお迎えになったことと、お喜び申し上げます。  旧年中は、当センターの運営にご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。  本年も変わりませず、よろしくお願い申し上げます。  昨年は、「聴覚障害者」を取り巻く大きな動きとして、「障害者基本法」の改正があり、 「障害者制度改革推進会議」が立ち上げられたことによる大きな成果をみることができました。  今年は、聴覚障害者の方々に対する情報保障手段の一つである「要約筆記」制度が「奉仕員」 から「筆記者」へ変わることに伴い、聴覚障害者情報センターとしては「要約筆記者養成講習 会」の開催や「要約筆記者認定試験」等に向けた新たな制度や体制を整えてゆかねばならない 年であります。  辰年「壬辰(みずのえたつ)」は変化の年、草木の内部に新しい種子が芽生え、陽気が動いて 草木が伸張する年です。  皆様方にも「昇竜」のごとく発展する年となりますことを願い、年頭のご挨拶とさせていただ きます。 2.災害に備えて  昨年は、「東日本大震災」が発生し、聴覚障害者の方にも犠牲者が出ました。過去の災害に おいても、聴覚障害者の方たちに対する情報伝達が十分でなく、同様のことが繰り返されています。  そこで、本県における災害時の情報取得と避難支援の制度を紹介しますので、“自分を守るため” に是非活用してください。 (1)災害情報  災害時の情報については、県の「しまね防災メール」や市町村の「緊急速報エリアメールサービ ス」等により、携帯電話にメールが入るサービスがありますので、県や市町村に問い合わせて、 サービスを 受けるための「登録」をしましょう。 --1/4-- (2)災害発生時の支援  松江市においては、災害時に障害のある人等を守るため「地域で見守り・助け合い事業」を 設けています。この中で「災害時要援護者避難支援登録制度」があり、災害時にご近所の方たち等 から避難支援を受けることができます。この制度を生かすためには、日ごろのご近所との付き合い も大切にしてゆく必要があります。  詳しくは、松江市のホームページに紹介されていますし、市役所の「障がい者福祉課」に相談し てみてください。又、県下の他の市町村においても同様の制度を設けているところもありますので、 各市役所または町村役場の「障害者福祉担当課」に問い合わせてみてください。 3.おもなできごと (1)手話通訳者全国統一試験のための事前学習会  12月3日に実施された「手話通訳者全国統一試験」をめざす人たちのための「事前学習会」を、 今年度は3回開催しました。  試験内容は「要約試験」と「場面通訳」となっていますので、実際の試験の方法に慣れるために、 読み取り教材を利用して、要約試験の練習、講師を交えての場面通訳練習など、繰り返し学習しま した。3回目には、過去に出題されたDVDを使って場面通訳を体験し、参加者の皆さんは試験当日の 緊張感を体感しながら学習できたと思います。  多くの方が試験に合格されることを願っています。 (2)手話通訳者全国統一試験  12月3日(土)午前10時から全国一斉に試験が実施されました。  午前中の筆記試験は「手話通訳に必要な基礎知識」と「国語」、午後の実技試験は「手話の要約 (筆記)」と「場面通訳(場面における聞き取り及び読み取り通訳)」という内容でした。  島根県では現在登録手話通訳者は60名となっていますが、まだまだ実際に活動できる人数は不足 しており、登録手話通訳者の研鑽も求められている状況です。  県内の登録手話通訳者が増えることを願い、3月の発表を心待ちにしています。 (3)手話指導者研修会  11月6日(日)に大田市民センターで開催しました。参加者は12名でした。  今年度は「手話奉仕員」の指導に焦点をあてて、県内の指導者の皆さんと指導方法について確認する ということで研修を進めています。  1回目の研修では手話の基本文法の指導方法の確認をしましたが、今回は「格」についての指導方法 を集中して学びました。ろうあ者は手話の基本文法について、文法を意識しないで手話を使っています が、それを手話奉仕員養成の時にどのように指導するのか、ということが課題になっているようです。 ろう講師と健聴講師が講座のねらいに合った指導ができるよう、事前の打ち合わせの大切さと、表現方 法の指導について共通認識が必要であることを学びました。 (4)聴覚障害者向けソフト制作担当職員研修会in名古屋  11月8日〜10日の3日間、ソフト制作のレベルアップを図る目的で、名身連聴言センター(名古屋)で 研修会が開催されました。  1日目は、改正著作権法等の講義、2日目は初心者コースに参加し、企画から撮影、編集まで行い、撮影 の時には、カメラの操作方法等教えていただき、基本的なところが良くわかりました。(もう少し時間が あるといいなと思いましたが…)  3日目は初心者コースの映像発表と他施設の事例発表、グループディスカッションがあり、とても充実 した研修となりました。  情報交換会では、和やかな雰囲気の中、困っていること等を聞くことができ、とても参考になりました。 (研修会の様子写真) (5)要約筆記奉仕員ステップアップ研修会  12月10日(土)大田市民会館にて第5回ステップアップ研修会を開催しました。  テーマは、「要約筆記者制度について」です。全要研名古屋事務所の山岡千恵子様に、今年3月30日に 通知のあった要約筆記者カリキュラムや今後の奉仕員の仕事がどうなるのか、また、認定試験について お話いただきました。  なぜ要約筆記者カリキュラムが必要だったのか、ということを理解するために、過去の歴史を理解する ことが大切であること、また法定化されることで、他の福祉サービスと連携させることができるようにな り、同時に要約筆記が専門性を求められる存在になったということを改めて学びました。その他、権利擁 護、対人援助や事例検討の大切さをご指導いただきました。 --2/4-- (6)難聴者・中途失聴者のための手話教室  6月から11月まで、1ヶ月に1回、計6回開催しました。  自己紹介、趣味、質問などが手話で表現できるようになりました。要約筆記の情報保障をつけての開催 でしたが、手話は目で見てすぐ話せるので、覚えることができてとても良かった、まだまだ勉強していき たいと参加者の声がありました。 (7)利用者交流会  簡単なお菓子づくりと健康についてのテーマで開催しました。  松江市まちづくり課、管理栄養士の松尾氏に講師として来ていただき、簡単にできるフルーツ白玉とひ と口バナナチーズトーストを作りました。作ったあとはみなさんで楽しくお話しながら食べました。とて もおいしかったですよ。  その後松尾氏より、食事と健康についてのお話がありました。食事の大切さ、食事時はよく噛むことの 大切さをお話いただきました。 4.ライブラリーだより (1)新しいDVDのお知らせ  「CODA(コーダ)ぼくたちの親は聞こえない」  聞こえない親が聞こえる子を育てるための子育て支援DVDです。  乳幼児期/学齢期/思春期/教育に携わるみなさまへ/医療に携わるみなさまへ とテーマがあり、子育てをどのようにしたらいいか、不安をなくすためのDVDです。 (2)ライブラリーからのお知らせ ・字幕付ビデオ、DVDは、郵送でお送りすることができます。 FAXでセンターへ申し込みされれば、ケースに入れて郵送します。(返却時の送料はご負担ください) ・新しいビデオライブラリー登録カードに変更し、送付しました。センターでビデオを借りられる時は、 新カードをご持参くださいますようお願いいたします。 5.ミニ個展 10月(折り紙・ぬりえ)山根きぬ子さん(雲南市)の作品(写真) 11月(折り紙・ぬりえ)山根きぬ子さん(雲南市)の作品(写真) 12月(腕章・ベスト)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会作成(写真)外部からは認識しづらい聴覚 障害に対する理解を得るために、「耳マーク」の告知促進とともに、腕章などの装着物の配布を行って おられます。 --3/4-- 6.行事予定(※は他団体主催) 1月 14日 手話通訳者養成講習会(大田) 21日※全国要約筆記研究討論集会(広島) 22日 手話指導者研修会(大田) 28日 手話通訳者ステップアップ講座(浜田) 2月 4日 手話通訳者養成講習会(大田) 11〜12日※全通研討論集会(栃木) 18日 手話通訳者養成講習会(大田) 19日※全通研支部研修会(浜田) 26日 福祉講演会    利用者交流会(松江) 3月 10日 手話通訳者養成講習会(大田) 17〜18日 手話通訳者養成講師団会議、研修会(大田) 17〜18日※全要研中国ブロック研修会(松江) 7.福祉講演会のお知らせ 日時:2月26日(日)午前10時〜12時 場所:いきいきプラザ401 利用者交流会 2月26日(日)午後1時30分〜3時 いきいきプラザ401 後日、案内を送ります。 皆様のご参加をお待ちしています。 8.パソコン講習を受けてみませんか? ・対象:県内東部地区在住で、18歳以上の聴覚障害の方 ・内容:希望に合わせて学習できます。講師に1対1で教えてもらえます。 ・場所:情報センター(障害のため移動が不自由な方は自宅で講習を受けることができます。) ・時間:1人10時間(1回2時間を5回) ・申し込み:聴覚障害者情報センター(担当:坂田) 9.障害年金の制度の変更  平成23年4月〜障害年金の配偶者(夫や妻)や子どもの加算制度が改正されました。1級か2級の 障害年金を受けられるようになった後に、結婚した時や、子どもが生まれた時は、届出すると年金 が加算されることになりました。  ただし、18歳までの子どもであることや、児童扶養手当と同時にはもらえないなどの条件があり ますので、市役所の国民年金窓口、児童扶養手当窓口などにお問い合わせください。(子ども手当 )をもらっていても大丈夫です。 10.アイ・ドラゴン交換事業  アイ・ドラゴンUaもアイ・ドラゴン3に交換できるようになりました。  Uaは地デジチューナーと接続ができるため、交換の対象外でしたが、現在簡易チューナーが入手 困難となっているため、支援の対象となりました。  この事業は、「視覚障害者等情報支援緊急基盤整備事業」というもので、2012年3月31日で終了し ます。  手続きはお早めに、お住まいの各市町村窓口までお問い合わせください。 11.かずかず 手話通訳派遣コーディネート 30件 要約筆記奉仕員コーディネート 82件 盲ろうコーディネイト 16件 リレーサービス        75件 来館者数           530人 12.編集後記  2011年は様々な天災に見舞われた年でしたが、今年の世相を表す漢字は、人とのつながりの大切さ を表した「絆」という字になりましたね。皆さんはどのような1年でしたでしょうか?  2012年が皆さまにとって良い年になりますように。 --4/4--