あいネット島根 第81号 平成27年1月吉日発行 1.年頭のごあいさつ 島根県聴覚障害者情報センター 所長 山城 達也 新年明けましておめでとうございます。 皆様には、お健やかに新年をお迎えになったことと、お喜び申し上げます。 旧年中は、当センターの運営にご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。 本年も変わりませず、よろしくお願い申し上げます。 昨年は「手話言語法(仮称)」の制定に向けて、各自治体から国に意見書が提出されています。平成26年12月24日現在で、全国47都道府県の内46が、1,741市町村の内1,441が議会で「手話言語法制定を求める意見書」を採択しました。島根県内でも全市町村の、8つの全ての市が、11町村の内10が意見書を採択しています。島根県の方でも県議会で10月に「手話言語法制定を求める意見書」を採択しました。今後は、日本語と同等の言語であることが認められ、「手話言語法(仮称)」として法律の制定が待たれます。当センターとしても今後ますます手話の普及と啓蒙に力を入れていきたいと考えております。 また、情報センターでは、平成27年度からは、昨年まで要約筆記奉仕員を対象に実施してきた「要約筆記者移行講習会」を終了し、新たに2年間で「要約筆記者養成講習会」を開催いたします。 今年5月から始まる「要約筆記者養成講習会」に多くの方に受講いただき「全国統一要約筆記者認定試験」において合格、要約筆記者が県内に増え、要約筆記の体制が大いに充実することを期待したいと思っています。 今年は未(ひつじ)年、乙未(きのとひつじ)」、乙未の「乙」は種が地中で時期が来るまで待機している様子。ひつじ(未)は羊で、群れをなす羊は、家族の安泰を示しいつまでも平和に暮らす事を意味しています。この言葉どおり、人との争いをせず我慢強く堪え、ひいては平和な年となることを願っております。 2.「手話言語法制定を求めるパレード12・12」に参加して 12月12日(金)東京の都道府県会館で全日本ろうあ連盟主催の「手話言語法成果報告会」と「手話言語法制定を求めるパレード12.12」が行われ、全国のろうあ団体と全通研支部会員などが参加しました。(島根県からはろうあ連盟の理事2人が参加されました)成果報告会では、「手話言語法制定を求める意見書」が、80%以上の自治体で採択されたこと、来年3月には100%の採択を目指していることなどが報告されました。全国のろうあ団体や手話関係者の運動の結果、このような成果があげられたと思います。 報告会後のパレードでは手作りでアピールするものを身につけたり表示したりして、「手話言語法」の制定実現をアピールしました。一般の方からも「頑張れ!」という声掛けがあり、勇気がわいたとのことでした。 「手話言語法」制定の暁には、手話が社会に十分認知され、聴覚障がい者が安心できる手話通訳制度が確立することを願ってやみません。 --1/6-- 3.おもなできごと (1)平成26年度「手話通訳者全国統一試験」 12月6日(土)午前10時から全国一斉に試験が実施されました。 午前中の筆記試験は「手話通訳者に必要な基礎知識」と「国語」、午後の実技試験は「手話の要約(筆記)」と「場面通訳(場面における聞き取り及び読み取り通訳)」という例年通りの内容でした。 緊張感漂う中、受験生の皆さんは持てる力を発揮して試験に挑戦されたと思います。 島根県の登録手話通訳者は現在64名となっていますが、実際に活動できる方は不足している状況です。合格発表は3月10日(火)です。今回の受験者の皆さんの中からできるだけ多くの手話通訳者が誕生されることを期待しています。 (2)第3回手話通訳者ステップアップ研修会 10月19日(日)いわみーる(浜田市)で「災害場面での手話通訳」というテーマで研修会を開催しました。 午前中は災害に関する単語の表現、災害に関するニュース文章の聞き取り通訳練習、被災したろうあ者の手話表現DVDを見て内容をつかむという学習をしました。 災害には様々なものがあり、その都度、内容をろうあ者にきちんと伝えられることと、ろうあ者の言いたいことをつかむことがとても大切だということを再認識できたと思います。 午後は、読み取り実践を行ったあと、自然災害に関するDVD視聴後、災害発生時の問題や手話通訳としてどのように対応するべきなのかを含めて解決方法などについて意見交換をしました。 10月ということで行事が重なったこともあり、参加者が6名と少なく残念でしたが、少ないながらも盛りだくさんの内容で、熱心に学習ができたと思いました。 (3)第2回手話指導者研修会 11月2日(日)あすてらす(大田市)で研修会を開催し、参加者は15名(内ろうあ者8名)でした。 今年度の「手話指導者研修会」は、日ごろ各地で手話指導を担っている講師の皆さんが、講義指導する際に参考にできるように、県の手話通訳者養成講師団が作成した「手話指導のための講義資料」の内容を学ぶという目的で開催しています。 1回目は「手話」「聴覚障害者の生活」というテーマでしたが、今回は「ろうあ運動」「手話通訳」「手話サークル」のテーマで学習しました。テーマごとの問題をグループに参考資料などで調べて解き、発表し、それについて講師が解説をするという形で進めました。 参加者からは久しぶりの勉強で充実感があった、忘れていることが多く改めて勉強が必要だとわかったなど、講師として知識が必要であることをより自覚できたと思いました。 --2/6-- (4)難聴者・中途失聴者のための手話教室 平成26年度「難聴者・中途失聴者のための手話教室」の第7回目を11月20日(木)益田市で開催しました。 今までは、松江市と出雲市で開催しましたが、今年は初めて県西部の益田市で開催しました。 まず、講義で手話の基礎知識を説明した後、挨拶や自己紹介の手話表現を指導しました。 ペア(受講生)での会話練習の様子を見ると、最初は相手の手話を読みにくい状況でしたが、改めてゆっくりと手話表現してもらうと読みやすくなったようでした。 ゲームで、受講生がイラスト(いろんな絵)を選び、身振りで表現をしていただきました。皆さん上手にでき、講師がちゃんと当てることができました。 初めて益田市で難聴者・中途失聴者のための手話教室を開催し、今までお会いしたことのない受講生との会話ができて嬉しく思っています。 (5)ソフト制作担当者研修会 11月5日〜7日の3日間、青森県聴覚障害者情報センターで開催されました。 1日目は、東日本大震災の経験から情報提供施設の役割を考えるパネル討議がありました。 日頃から正しい知識を学び、組織として何ができるのか考えていく必要性を改めて痛感しました。その他、電話リレーサービスについての説明がありました。 2日目は、日々の疑問に対して三友鰍フ方からアドバイス、その他字幕制作の基礎、著作権に関する取組について報告がありました。 3日目は、グループ討議。利用者が年々減少していくなかで、どうしたら利用してもらえる施設になるのか、各施設、予算や人員の厳しい中、工夫しておられることを学び充実した研修となりました。 --3/6-- (6)要約筆記ステップアップ研修会&スキルアップ学習会 全要研の坂部美秋氏に指導していただき、登録要約筆記者対象のステップアップ研修会と移行講習会を修了した要約筆記奉仕員対象のスキルアップ学習会を12月に開催しました。 短い時間ではありましたが、個々に対する実技検証もしていただきました。今後の派遣現場に役立てていただきたいと思います。 (7)要約筆記者移行講習会終了 養成講習会開催 平成24年から開催してきました移行講習会は平成26年度で終了とし、来年からは、新たに要約筆記者養成講習会を開催いたします。 2年間で85時間の講習内容となります。 要約筆記者移行講習会を受講できなかった要約筆記奉仕員の方は、受講していただきますようお願いいたします。要約筆記奉仕員以外の一般の方も受講できますので、要約筆記をやってみたいという方がおられましたら、ぜひ受講していただきますようお願いいたします。 申込は、ホームページに掲載しています。http://www.shimane-choukaku.jp/ (8)「IT 特別講座」を開催しました 10 月26日(日)「Skype(スカイプ)を使ってみよう!」というテーマで、Will さんいんの石輪春樹氏に講習と実技の指導をしていただきました。 参加者は8名。スカイプの特徴や、サービス内容のお話をいただき、実際にパソコン等をつなぎ、スカイプの特徴であるビデオ通話(インターネット回線を使ったテレビ電話)を楽しんでいただきました。 聴覚障がいの方のコミュニケーションがより豊かになるよう、今後もこのような講座を開催していきたいと思います。 --4/6-- (9)福祉講演会開催について 10月26日に「介護技術について」というテーマで福祉講演会を開催しました。 特別養護老人ホーム愛寿園の澤井雄紀氏の講演並びに同園の景山堅太氏との共同指導による介護技術の実技体験でした。講演の時間は予定より早く終わりましたが、その分、実技体験の時間が長くとれ、かえって良かったのではと思いました。 いままで、自分が高齢になったらどうなるだろうと思い、少し不安な感じを持っていましたが、実技をやってみて大変参考になりました。 参加者の方にも介護の実技体験をしていただきましたが、なかなか難しそうでした。 でも、最後に「実技をやってみて参考になって良かった」との声があり、本当にうれしく思いました。 4.マルチ商法に注意 「疲労が回復する」「目が良くなる」と薬や食品を勧められても、すぐに買うのはやめましょう。効能を言って販売するのは薬事法違反です。高額商品が毎月送られてくる被害が出ています。家族や情報センター、市役所に相談してください。 5.新入荷おすすめDVD 聴覚障害者情報センター分 きょうの料理 ニッポンおいしい手仕事 甘酒 CD2014-001 DVD ろうを生きる難聴を生きる DA2014-020〜023 DVD プロフェッショナル 仕事の流儀 DD2014-005 DVD プロフェッショナル 仕事の流儀 DD2014-006 DVD 連続テレビ小説 あまちゃん 総集編 前編 FC2014-002 DVD 連続テレビ小説 あまちゃん 総集編 後編 FC2014-003 DVD 金曜プレステージ特別企画 FC2014-005 DVD 西部視聴覚障害者情報センター分 東海テレビ開局55周年記念 真夜中のお伊勢さん CB2014-005 DVD サイエンスチャンネル 赤ちゃんがいっぱい EB2014-006〜007 DVD 影武者 FD2014-013  DVD 映画 プリキュアオールスターズ   FD2014-008  DVD それいけ!アンパンマン JB2014-006〜007 DVD 名探偵コナン JB2014-008〜009 DVD --5/6-- 6.行事予定 ※他団体主催 1月 11日  ※島根県ろうあ連盟福祉講演会 (松江) 17日  手話奉仕員等研修会   (浜田) 18日  要約筆記スキルアップ学習会 (大田) 22〜23日中四国ブロックビデオ制作担当職員研修 (香川県高松市) 25日 ※全通研支部研修会 (出雲) 2月 1日  要約筆記スキルアップ学習会 (大田) 7日  要約筆記事業検討員会 (松江) 8日  手話指導者研修会 (大田) 14日  手話通訳者ステップアップ研修会 (大田) 15日  ビデオ情報化事業検討委員会 (松江) 手話事業検討員会 (松江) 22日  全国統一要約筆記者認定試験 (松江) 28日  ※3団体交流会 (出雲) 3月 7日  利用者交流会 (松江) 14〜15日手話通訳者養成講師団会議・研修会 (出雲) 7.ミニ個展 10月&11月切り絵(小村あかね さん・出雲市) (写真) 12月クリスマスの作品etc..(増田豊子 さん・松江市) (写真) 8.お知らせ (1)利用者交流会 テーマ:「折り紙でひな祭りを楽しもう」 日時:27年3月7日(土)13:30〜15:30 場所:いきいきプラザ4階 401研修室 折り紙の折り方については、情報センターの職員が説明します ※参加費:無料(折り紙は情報センターで準備します) (2)いきいきプラザ島根改修工事について 平成27年3月に松江保健所が「いきいきプラザに移転してきます。 情報センターがある3階でも移転に伴う改修工事が昨年11月末より始まり、2月中旬まで実施されます。 工事中は危険を防止するため、工事業者が通路に案内係を配置することもあります。情報センターへお立ちよりの際には、係員の指示に従い十分気を付けてお越しください。 9.QRコード 携帯用ブログQRコード(画像) パソコン用ホームページQRコード(画像) 携帯用ホームページQRコード(画像) 携帯電話のカメラやスマートフォンのアプリで読み込んで見てくださいね。ブログはスマホ版 もありますよ。 4月から情報センターのパンフレットが新しくなりました!! ぜひご覧くださいませ。 10.かずかず(10月1日〜12月24日現在) 手話通訳派遣コーディネート 59件 要約筆記派遣コーディネート  28件 盲ろう者通訳・介助員派遣コーディネート 14件 リレーサービス        96件 来館者数           727人 --6/6--