あいネット島根 第120号 令和6年10月発行 1.全国聴覚障害者情報提供施設協議会 意思疎通担当者研修会に参加して  令和6年度意思疎通支援者研修会が7月25・26日の2日間、富山県聴覚障害者セ ンターで開かれました。全国各地より手話通訳者・要約筆記者派遣コーディネー ト担当者54名が参加され、「自治体との連携について考える〜聴覚障害者を支 えるしくみ作り〜」をテーマに研修が進められました。1日目の講義では「行政 との連携、情報共有がとても重要である。多様なニーズに応えるためには、それ ぞれの立場で何ができるかを知ること」など、とても参考になる内容でした。2 日目は、各県のコーディネート担当者よりICTの活用方法、人と人を繋ぐための 技術など、たくさんの情報提供がありました。今回、初めて意思疎通支援者研修 会へ参加しましたが、担当者のみなさんが、とても明るく楽しく業務に取り組ま れていることを知りました。今後、全国の情報提供施設及びコーディネート担当 者の方々との親交を大切に、より良い業務ができるように日々努力していきたい と思います。 2.全国聴覚障害者情報提供施設協議会 相談支援研修会に参加して  9月26日(木)?27日(金)全国聴覚障害者情報提供施設協議会相談支援研修 会が大阪府の堺市立健康福祉プラザにて開催され、参加しました。この研修会は 昨年度からスタートし、今回は初めて現地集合のみとし、全国聴覚障害者情報提 供施設協議会加盟施設の職員34名の参加がありました。(昨年度は意見交換会と してオンラインと現地集合で開催。)  1日目は全聴情協理事長である中西久美子氏が「聴覚障害者情報提供施設にお ける相談支援事業のあり方」というテーマで講演、グループワーク、2日目は3つ の分科会(ろう者の相談、難聴者の相談、相談支援の基礎知識)に分かれて行い ました。  各施設の環境、人員数、それぞれの相談支援方法などが聴け、参考になるもの もありました。今後も聴覚障がい者のために支援を頑張っていきたいと思います。 (写真) 3.絵本を寄贈していただきました。  8月中旬に、中村一夫様より、「リブと海」の絵本を寄贈いただきました。隠 岐の島町で実際にあった出来事を絵本にしたものです。絵本の絵は松江ろう学校 卒業生でもある中村一夫様が描いたものです。ライブラリー図書に置いてありま すので、ぜひ借用して、読んでみてください。中村様、大切にライブラリーに置 かせていただきます。ありがとうございました。(写真) 【中村一夫様より一言です。】  2020年に隠岐の島の海岸に海洋ゴミが足に絡まり弱った状態で漂着した1頭の アカウミガメの実話をもとにした絵本のイラストを担当し、手掛けることになり ました。  「リブ」と名付けられたアカウミガメはいろいろな方の思いと支援のおかげで 自らの足で泳ぎ隠岐の海に帰っていきました。この起きた事柄で身近な環境への 意識・関心を高めることにつなげられないかと思い、有志によって絵本製作委員 会を結成し、リブの思いがはっきり伝わるためにたくさんの打ち合わせを重ねな がら真心を込めて作り上げた絵本ですので、みなさんにも読んでいただきたい絵 本です。この絵本によってリブの思いが伝わりますように願っています。 --1/4-- 4.おもなできこと (1)情報センター会議  7月4日開催の情報センター運営会議において、当事者団体、関係支援団体、 行政機関など11団体から出席された12名の委員に、5年度実績と6年度事業計画 を説明し、意見交換していただきました。  今回は、5年度の手話通訳者全国統一試験及び要約筆記者全国統一認定試験の 島根県の合格者が少なかった(手話合格者0名、要約筆記合格者:手書き1名、 PC1名)ことから、養成講習会の受講者増に向けた体制づくりや周知活動につい て、ご意見をいただきました。  特に、要約筆記については、まだまだ知名度が低いため、行政機関等から手帳 を持っている方へノートテイクが使える場所の周知や啓発をしてほしいといった 具体的な意見もいただきました。  いただいた意見を踏まえて、関係する機関の皆様と連携を図りながら、引き続 き丁寧に仕事に取り組んでまいりたいと思っています。(写真) (2)手話通訳者ステップアップ研修会  7月6日(土)に浜田市のいわみーるで行いました。テーマは盲ろう者でした。  盲ろう者についての講義のあと、盲ろう者のみなさんが使う道具を実際に触っ てみました。午後は、疑似体験をしました。疑似体験用の眼鏡をかけて、手話通 訳を見ました。場所、距離、明るさ、範囲、色などの違いによって、見え方も違 い、頭痛がしたり、体調が悪くなったりと、注意することがたくさんあることに 気づきました。今後も研修会をしてほしいとの意見もあり、とても、参考になり ました。 (3)要約筆記者養成講習会(手書き・パソコン・共通)  7月28日(日)12講共通講義はノートテイクについて学習しました。実習では、 受講生同士で筆記者役、利用者役の両方を体験しました。利用者側からみて、自 分の要約筆記したものがどのように見えているかを体験することで、今後の改善 点が確認できました。  手書きコース・パソコンコースでは派遣時の準備の進め方や、現場で必要な技 術について学びました。派遣を模した実習を体験することで、機材トラブルへの 対処方法や事前資料確認し、どのような準備をしておくべきかを考えるなど、よ り実践的な技術を学びました。 (4)第1回利用者交流会  7月7日(日)10時〜12時までの2時間、いきいきプラザ島根4階403研修室におい て開催しました。参加者は27名でした。  モルック安来のスタッフを招いて、モルックというスポーツのルールを説明し てもらい、6グループに分けて、モルックで対戦しました。「やったー!」「あー おしい〜!」「しまった〜!」と、運動会のような雰囲気で盛り上がりました。モ ルックはフィンランドで生まれた簡単なスポーツであり、みなさんもどこかでモルッ ク体験があればやってみてほしいと思いました。ご参加の皆さんありがとうござい ました。(写真) (5)難聴者・中途失聴者のための手話教室  7月16日(火)に初級と中級とともに出雲市社会福祉センター(初級1名、中級4 名)、9月14日(土)に初級コースはいきいきプラザ島根2階201研修室、中級コー スは情報センターの映像制作室で難聴者・中途失聴者のための手話教室を開催し ました。(初級6名、中級4名)(※8月は台風10号の影響で開催中止。)  出雲会場での初級コースは、日常生活の会話を手話表現してみよう、中級コース は手話紙芝居に挑戦してみようという内容を指導しました。松江会場での初級コー スは挨拶、家族、趣味の手話を、中級コースは、手話検定3級レベルの文章の手話 表現してもらい、講師からの質問に対して手話で回答する方法を指導しました。初 級コースにはお孫さん連れの参加者もあり、子どもたちも楽しく、学んでおられま した。  10月と11月各1回開催しますので、手話を学びたい方も歓迎します。お待ちしてお ります。 (6)手話通訳者養成講習会  手話通訳U(ステップ)で、講演会や会議の場面通訳をしたり、それぞれの場面 の事例検討を行ったりして、手話通訳者としてのあり方について学習しました。9月 21日(土)から最後のテキストである手話通訳V(ジャンプ)に入りました。  より実践に近い内容を学習しています。ますます難しい内容になっていますが、 皆さん熱心に取り組まれています。昨年5月から始まった養成講座も11月で終わりま す。あと、もう少し、頑張っていきましょう。 (7)設置通訳者・手話通訳者等派遣コーディネート担当者会議及び研修会  7月18日(木)、大田市役所にて県内市町村の関係者の方々に集まっていただき (Zoomを併用)担当者会議及び研修会を開催しました。県健康福祉部障がい福祉課 の齋藤主事にもオブザーバーとして参加いただきました。会議では各市町村の緊急 時、災害時の対応方法や課題を検討することができました。今年度より手話奉仕員 養成テキストが改訂され、それに伴いDVDから手話動画視聴システムへ移行となりま した。今年度より新しいシステムを導入されている市町の担当者より、受講生募集 時の広報方法や注意点、クラウド設定方法、Wi-Fi環境の整備についての説明をして いただきました。その他に、手話・要約筆記の普及方法について、色々な取り組み や尽力されていることを担当者間で把握することができる会議となりました。この 度の会議で得た情報を活かし、聴覚障がい者の皆さんへより良い情報提供と保障が できるよう関係各所との連携を大切に頑張っていきたいと思います。 --2/4-- (8)県登録要約筆記者研修会(手書き・パソコン)  手書き実技の研修を8月4日(日)に開催しました。全国要約筆記問題研究会の吉田 弘子講師に全体投影、ノートテイクについて指導していただきました。情報保障の 目的について学び、実習後の検証を受けることで、正しい要約筆記の仕方ができて いるか、確認する機会となりました。  パソコン実技の研修を9月1日に開催しました。多くの新人筆記者の方が参加され、 連携入力について学びました。実習後は、検証用のアプリを使い、筆記にかかった 時間や、文字数等を確認しました。チーム内の連携を良くするために、どこを改善 すべきか、確認できる研修となりました。 (9)試験のための事前学習会(手話)  8月10日(土)と9月15日(日)に大田市・あすてらすで試験のための事前学習会 (手話)を行いました。9月15日(日)の第4回目からは、今年度の手話通訳者養成 講習会を受講中のみなさんも加わりました。筆記試験体験、そして場面通訳練習を しました。講師からのアドバイスを受けながら試験に向けて頑張っている様子が見 られました。今年度の試験は12月7日(土)です。あと2か月、統一試験合格を目指 して、試験当日に持っている力が発揮できるよう、頑張りましょう。 (10)手話通訳者養成講師団会議及び研修会  8月11日(日)に仁摩農村環境改善センターで行いました。今年度の養成講座も 残り4か月になりました。実施状況、今後の講座内容、研修会等について話合いを しました。今後、ますます実践に近い内容に入っていきます。より良い手話事業が 行えるように進めていきたいと思います。 (11)要約筆記者養成講師団研修会  9月21日に開催しました。全国要約筆記問題研究会の山岡千惠子講師に、要約筆記 者養成講習会12講ノートテイクでの指導方法について講義いただきました。講習会 の検証で指導する際は、気になる箇所をすべて指摘するのではなく、「一文につき 一情報を短文で」、など優先順位の高い内容にしぼることが重要であることをお話 いただきました。研修後も、指導方法について、島根県要約筆記者養成講師団講師 から、多数質問が挙がり、日ごろ疑問に感じていることなどについて、情報交換す る機会となりました。 (12)パソコン講習  今年度は3名の新規の方を含め、すでに5名の方が受講されています。受講生の方 からは、とても分かりやすいと好評を得ております。1対1の個別形式で、学習内容 や講習日時、手話通訳・要約筆記の手配など、一人ひとりの希望をお聞きして調整 します。まだ在宅での訪問講習1名の枠がありますので、是非ご相談ください。 (13)手話指導者研修会  9月29日(日)に大田市・あすてらすで手話指導者研修会を行いました。講師は全 国手話研修センターの手話奉仕員養成テキスト編集作業部会の藤田由紀子氏(高知 県)、井惠美氏(京都府)にお越しいただきました。参加対象者は県内手話奉仕 員養成指導講師と手話通訳者養成講師団で、18名の参加がありました。  新テキストについて、モデル講座をお願いし、参加者はモデル講座の様子を見て、 「とても分かりやすかった」「とても、参考になった」と多くの意見がありました。 今後の奉仕員養成事業にどんどん取り入れて活かしていただければと思います。 (写真) (14)松江ろう学校文化祭「かきばら祭」で日常生活用具の展示をしました。  島根県立松江ろう学校から『昨年度に引き続き、今年度も松江ろう学校文化祭「か きばら祭」にて機器展示をお願いしたい』と依頼があり、9月28日(土)当センター の陶山相談員が、松江ろう学校文化祭「かきばら祭」で、日常生活用具の展示をし、 用具の説明をしました。一般の人や、松江ろう学校児童生徒、保護者が日常生活用具 を見たり、体験もしてもらいました。当センターに、普段展示していますので、日常 生活用具のお試しや、相談したい場合、ご遠慮なく当センターにお問合わせください。 最後に松江ろう学校のみなさん、ありがとうございました。 5.ミニ個展 7月「手ぬぐいでエコバック!縫わないでもポーチが作れるヨ!」手話サークルすみれ 8月「かっこいい!」佃 京子さん(難聴者・松江市) 9月「絵手紙」雲南市聴障者協会 --3/4-- 6.行事予定(※他団体主催) 10月 5日 手話通訳者養成講習会(大田) 6日 県登録要約筆記者研修会(共通)(大田) 6日 難聴者・中途失聴者のための手話教室(松江) 6日※島根県ろうあ連盟スポーツ委員会講演会(大田) 6日※島根県手話サークル連絡協議会交流会(大田) 12日 要約筆記者養成講習会(手書き)(出雲) 19日 手話通訳者養成講習会(大田) 20日 試験のための事前学習会(手話)(大田) 20日 要約筆記者養成講習会(パソコン)(出雲) 26日 手話通訳者養成講習会(大田) 26日 要約筆記者養成講習会(手書き)(出雲) 27日 手話通訳者ステップアップ研修会(大田) 11月 3日 要約筆記者養成講習会(共通)(出雲) 3日※第15回手話まつり(浜田) 9日 手話通訳者養成講習会(大田) 9日 手話通訳者養成講習会閉講式(大田) 10日 要約筆記者養成講習会(共通)(出雲) 10日 難聴者・中途失聴者のための手話教室(松江) 16日 第2回利用者交流会(松江) 17日 手話奉仕員・手話通訳者研修会(浜田) 17日 要約筆記者養成講習会(共通)(出雲) 17日 要約筆記者養成講習会閉講式(出雲) 24日 試験のための事前学習会(手話)(松江) 30日 要約筆記スキルアップ学習会(大田) 12月 1日 手話通訳者ステップアップ研修会(松江) 7日 手話通訳者全国統一試験(松江) 8日 試験のための事前学習会(要約(パソコン))(出雲) 8日※島根県ろうあ連盟第3回理事会(出雲) 15日 聴覚障がい者のためのセミナー(松江) 15日 IT特別講座(松江) 22日 試験のための事前学習会(要約(手書き))(出雲) 7.臨時休館のお知らせ ★11月16日(土)13:30〜15:30(第2回利用者交流会のため) ★12月 7日(土) 9:15〜18:15(手話通訳全国統一試験のため) ★12月15日(日)10:00〜12:00(聴覚障がい者のためのセミナーのため) ★12月15日(日)13:30〜15:30(IT特別講座のため) 8.行事のお知らせ ◎第2回利用者交流会 日時:令和6年11月16日(土)13:30〜15:30(受付13:00〜) 会場:いきいきプラザ島根4階401研修室 テーマ:絵手紙をやってみよう 参加費:500円(材料代として) 絵手紙友の会さんいんの会長 白石政雄氏を招いて、絵手紙を教わりながら、絵手紙を やることになりました。みなさんと一緒に絵手紙をやってみませんか? ◎聴覚障がい者のためのセミナー&IT特別講座 日時:令和6年12月15日(日)    10:00〜12:00(受付 9:30〜)聴覚障がい者のためのセミナー    13:30〜15:30(受付13:00〜)IT特別講座 会場:いきいきプラザ島根4階401研修室 参加費:無料 聴覚障がい者のためのセミナーは「相続登記」に関する講演、IT特別講座は「LINE」に 関する講演の予定です。2つの案内チラシは11月中旬に発送しましのでお待ちください。 9.みんなでストレッチをやってみよう! 《上肢のストレッチングD》腕・肩周辺、体側の筋をのばす。 背筋・腹筋をのばす。 両足の位置を固定する。 (イラスト) (※「手話通訳者のためのリラクゼーションテキスト」に掲載されているイラストを一般 社団法人全国手話通訳問題研究会に許可を得て掲載しています。) 10.手話をしてみよう! 今回は「文化祭」です。ぜひやってみてください。 「文化」…両手の親指と4指の間を交差させ、組み換える。 「祭」…肩に棒をかつぐようにして揺らす。 11.ろうあ者相談員がいます。  当センターにはろうあ者相談員が1名常勤しています。  生活の中で困っていること、悩みごとなどは1人で抱えずに、ぜひご相談ください。ス マホの使い方から生活一般までお聞きします。 ※出張などで不在の場合もありますので事前にご連絡ください。 12.かずかず 手話通訳派遣コーディネート 38件 要約筆記派遣コーディネート 20件 リレーサービス 72件  来館者数 435人    (7月1日〜9月30日現在) 13.メルマガ・LINE登録者募集  手話・要約筆記付の行事など、さまざまな情報を月に1回程度、メールやFAXやLINEで お送りしています。登録は無料☆簡単!  必要事項を書いてメールするか、申込用紙をFAXしてください。LINEは申込不要で、携 帯やスマホに右の「公式LINEアカウント」を読み込ませてください。 ご不明な点は、お問い合わせくださいませ。 14.QRコード ホームページ PC、スマホ用 携帯用 LINE公式アカウント 携帯電話やスマホで読み込んでみてくださいね。 --4/4--